30人学級導入  中央高の一貫教育構想

    理数を英語で指導   伝統文化の教科も

 県教委は18日、中央高校(高崎市新保田中町)を改編し、2004年度からの開校を計画している「中等教育学校」について、県内で初めて「30人学級」を導入し、1学年4クラス、定員120人とすることなどを盛り込んだ基本構想を発表した。教育課程では、外国人教師が英語で指導する数学や理科のほか、日本や海外の伝統文化を学ぶ独自教科も設置。6年間の継続した教育を通じて、国際感覚豊かな人材を育成する。学校名を含む改編校の設置条例案を、来年の県議会2月定例会に提出する方針。

 基本構想によると、中等教育学校は普通科全日制課程で、前期・後期の二学期制を導入。県内全域の小学校卒業予定者を募集対象とし、現在の小学校五年生が一期生になる。

 選抜にあたっては、生徒の学習意欲などをみる面接や作文、適性検査などを実施する。学力検査は英語も含め行わない。

 教育課程は基礎期(一、二年)、充実期(三、四年)、発展期(五、六年)の三段階で編成。英語によるコミュニケーション指導や数学などでは、十五人程度の少人数指導を行う。

 従来の中学、高校が「四十人学級」なのに対し、「英語に重点を置くなど教育活動に特色があることと、現在の中学校が平均で一学級三十数人になっている」(県教委)との判断から、一学級を三十人に定めた。

 教育内容では、県立女子大外国語教育研究所と連携しながら、英語で数学や理科などの他教科を学ぶ「イマージョンプログラム」を積極的に取り入れるのが特色となっている。

 単なる英語力ではなく、国際的なコミュニケーション能力を高めるため、日本の伝統文化を体験しながら学ぶ「芸術」など学校独自の教科も設置。ディベートや小論文を取り入れた「コミュニケーション」では、一、二年は日本語、三年以降はすべて英語で授業を進め、表現力や論理的思考力を高めていく。

 このほか、近隣諸国への理解を深める基礎中国語や基礎韓国語、洋書の講読、英語能力試験への挑戦など選択科目も充実させる。
2002年9月19日 (木曜日) 上毛新聞掲載記事