第87回全国高校野球県大会


夢へ67校 来月9日から熱戦

 第87回全国高校野球選手権大会県大会(7月9日―26日、前橋・県営敷島球場など計5会場)の組み合わせ抽選会が15日、前橋・県民会館で行われ、出場67校の対戦相手が決まった。今大会は、高崎商大附が初参加となったほか、昨年は部員不足のため参加できなかった板倉が復活。昨年より2校多い出場となった。今春の関東大会で8強入りした桐生第一が総合力や安定感で他校を一歩リード。他のシード勢がこれを追う展開だが、ノーシード勢にもチャンスは十分。開会式は7月9日午前8時5分から県営敷島球場で開かれる。選手宣誓は予備抽選で1くじを引いた富岡実の遠間卓也主将が行う。

 抽選会はまず予備抽選が行われ、本抽選に入った。今春のベスト8が優勝した桐生第一から順番にシード枠を埋めていき、続いてノーシード校が札を引いていく。試合とは異なる緊張感。組み合わせが決まるたびに、会場からかすかな安あん堵どとため息が漏れた。

 例年に比べ“サプライズ”なカードは少なく、比較的落ち着いていた抽選会。この日、一番どよめいたのは、高経附の真藤隆主将がマイクの前に立ち、「2番」と告げた時だった。

 対戦相手となる「1番」で待ち構えていたのは、優勝候補筆頭の桐一。ざわざわする場内、壇上の真藤主将が高揚した笑顔を見せたのに対して、客席にいた桐一の松井雅人主将は複雑な笑みを浮かべた。

 
3年連続の甲子園出場を狙う桐一と、昨夏、秋ベスト8の高経附。過去にも多くの波乱が起こっている初戦だけに、より興味深い一戦となった。

 「どこでも相手は関係ない。桐一の野球ができれば負けない自信はある」と慎重な受け答えだった松井主将。「個人的にはうれしい。自分たちの持ち味を出して、思い切り戦いたい」と真藤主将は興奮気味に語った。両主将の対照的な表情が、試合への関心を増幅させる。
 この勝者は、次に太田工と前橋工の勝者と対戦。ファンには見逃せない好カードが続く。

◎充実目立つ館商工、育英 県営敷島ゾーン

 
優勝争いの軸となる桐生第一は、武藤将大や渡辺亮真ら豊富な投手陣に加え、捕手松井雅人を中心とした堅守が持ち味。打撃では射越章太らの勝負強さが光る。春8強入りした館林商工は攻守に充実。初戦は松井田と対戦する。

 投打にバランスの取れた前橋育英は、初の合同チーム「藤岡」(藤岡・藤岡中央)との一戦を制し、甲子園への弾みをつけたいところ。優勝候補の一角を担う前橋商は、好投手の冨田光紀、強打者の森田裕貴を擁するなど恵まれた戦力に磨きをかけ、初戦の中之条戦に臨む。


 高崎商大附と合同チームの「伊勢崎東」(伊勢崎東・伊勢崎)の一戦は、初陣対決で話題性十分。ノーシードながら前橋工、前橋などの実力校や、昨夏に旋風を巻き起こした高崎の動向にも注目したい。

◎高商、桐商、太商実力校ひしめく 高崎城南ゾーン

 実力校がひしめく激戦区。堤悠輝を軸とする強力打線を武器に、春の県大会で台風の目となった高崎商は、課題だった守備力を向上。初戦は吉井との一戦に臨む。どこからでも好機をつくれる打線が強みの桐生商は、中央と対戦する。

 県内最強打者の細谷圭を擁する太田商も優勝候補の一角。自慢の強力打線で桐生工との一戦に挑む。春準Vの桐生は、主戦野口恭が安定感を増した上、持ち前の粘り強さにも磨きをかけた。悲願の古豪復活をかけた今大会初戦、常磐の挑戦を受ける。
 ノーシード勢も目が離せない。農大二は主戦柿沼勇貴がけがから復帰し、名門復活に手応え。春、初戦敗退の「北毛の雄」利根商は全員野球で頂点を目指す。実力校の樹徳や、創部30年で戦力が充実する榛名などの活躍にも期待したい。


夏の高校野球大会県予選関連記事
組み合わせ決まる(6月16日)



Copyright 2005 By Jomo Shinbun. All right reserved

○○ 戻る ○○